相手が自分の期待とは異なる行動をとったとき、あなたはどのように感じますか?
“面白い”と感じるのであれば、あなたは世渡り上級者だと思います。
しかし実際には“苛立ち”を覚える人が多いのではないでしょうか。
そして後々に行動の背景を知って後悔した経験はありませんか?
今回は同様の後悔を繰り返さないためのメンタリティが学べる一冊をご紹介します。
その書籍とは…
ケーキの切れない非行少年たち

\既に気になった方はこちら/
・人に優しくできない
・他人にイライラしない方法を知りたい
・せっかちの治し方を学びたい
上記の悩みを抱える方々にお読みいただきたい記事です。
私は元来せっかち&真面目なタイプなので、ローテンポな方や天然な方に抵抗感を感じていました。
しかし1冊の本と出会ってからは相手を受け入れられるようになりました。
今では他人にイライラすることが減り、誰であっても心に余裕を持って接することができるようになりました。
本記事では書籍の紹介を通じて人間関係が良くなる思考法をご紹介します。
この記事を読むことで思いやりの心が育まれて人間関係が改善するという成果が見込めます。
ぜひ最後まで読んでみてください。
書籍について:170万部越えの大ヒット作

「ケーキの切れない非行少年たち」は2019年の発行以来、シリーズ累計170万部越えのベストセラー。
著者が医療少年院に従事していた経験を基に、非行少年たちの実態や“非行少年を作らないためにはどうしていけばいいのか”について記した一冊です。
書籍との出会い:タイトルに惹かれて即購入

私はトランプ遊びや人狼ゲームを通じて心理学に興味を持ちました。
沢山ある同ジャンルの中で易しい本から読もうと探していたところ、キャッチーなタイトルに惹かれて即購入。
到着後まもなく読み始めましたが、読書スピードの遅い私でもわずか3日で読み切るほど没頭して読み込めた一冊です。
私にとっては書籍への苦手意識を喪失させた一冊とも言えます。
心に残った箇所3選
書籍を読んで心に残ったのは3点です。
・非行少年たちは上手くやりたくても出来なかった
・非行は自己肯定感を上げるための行為だった
・被害者が次の被害者を生んでいた
順からに説明していきます。
非行少年たちは上手くやりたくてもできなかった

(少年院の子どもたちは)見る力、聞く力、見えないものを想像する力がとても弱く、そのせいで勉強が苦手というだけでなく、話を聞き間違えたり、周りの状況が読めなくて対人関係で失敗したり、イジメに遭ったりしていたのです。
第1章 「反省以前」の子どもたち
つまり非行少年たちが物事をうまく進められない理由はやる気ではなく能力にあったということです。
ただし世の中では「なんでそんなことをしたんだ」と気持ちにフォーカスする指導者が多いと感じます。
“大多数ができている=全員ができるはず”という考えが潜在的にあるため、“できない=怠慢”と発想してしまうのではないでしょうか。
少年たちが虐げられた大元を辿ると、認知機能が弱いため上手くできない当人に対する受け手側の認識不足が原因だったことに気付きました。
実際少年たちの多くは“境界知能”と呼ばれる、知的障害には当たらないが日常生活に困難を抱えている層でした。
見た目では分からずに周囲からは誤解されていたということです。
非行は自己肯定感を上げるための行為だった

例えばその少年が何かふざけたことをして、周りの友だちから「お前、面白い奴やなぁ」と言ってもらえたりすると、「ふざけ行為」は強化されて、次第に悪いこと(万引きや窃盗など)につながっていき、そこで自分の価値を見出すようになったりするのです。
第3章 非行少年に共通する特徴
つまり非行行為は自己肯定感を上げるための行動だったということです。
規模の大小はあれど、皆さんもふざけ行為によって友情を深めた経験があるのではないでしょうか。
例えばドアに黒板消しを挟んだり、滑り台を逆から登ったりするのもふざけ行為の一種でしょう。
他と違うからこそ目立ち、周囲の関心を得ることができます。
ただし非行少年たちは認知機能が低いため、おふざけと犯罪の境界線が分かりません。
“自分を認めてもらうため”の行為が実は犯罪だったというのは哀しきことです。
“悪事を働く人=悪意を持って行っている”と思い込んでいた私にとっては目から鱗でした。
被害者が次の被害者を生んでいた

性加害を行う少年は幼少期に性被害を受けたことが多いのでは、と言う研究者が少なくないのですが、私が関わった性加害少年たちには必ずしも当てはまりませんでした。〔中略〕
第5章 忘れられた人々
(性加害少年の)95%くらいは凄惨なイジメ被害に遭っており、そのストレスで幼女などを見つけて性加害を行っているケースが大半でした。
つまり性加害はストレス解消のための行為だったということです。
非行少年たちは運動や対人関係が苦手なため、ストレスの発散が上手くできずに自分より弱者への攻撃をしたのでしょう。
これを抑止するには、本来であれば根源となる非行少年に対するイジメ行為から無くしていかないといけません。
しかしそれに気付かず、非行少年の部分で無理やりせきとめようとしているように見受けられます。
そしてそこで決壊しています。
負の連鎖を断ち切るためには、“そうせざるを得なかった人”を作り出した環境の整備に目を向けていかなければならないと感じました。
書籍から得た気付き:頑張りたくても頑張れない人たちの存在

非行少年たちの多くは、認知機能が低いがゆえに“したくてもできない”人であることに気付きました。
決してやる気の問題ではなかったのです。
にも関わらず厳しい指導や嘲笑を受け続けると、“自身が評価される”悪事に手を染めてしまうのも自然な流れだと感じます。
私も似た状況を経験したことがあるため、彼・彼女らの痛み・もどかしさはとても理解できました。
頑張りたくても頑張れない人たちの存在を知ったことで、今後は受容していけるようになろうと思います。
体験談:自身も境界知能に陥った
私は飲食店経営について学ぶことを目的に、26歳で飲食店(個人)に転職しました。
それまでは事務職しか経験したことのなかった中、いざキッチン業務に従事した際に初めて自身が不器用なことに気付きました。
細かい手作業や力配分が苦手で皿やグラスを割ったり、ドリンクをこぼしたりを毎日のように繰り返していました。
またホール業務においても、料理を運ぶ手がおぼつかなかったり、手書き伝票を書き間違えたりとミスを繰り返しました。
もちろん私は懸命に働いていましたが、周りからは「やる気がない」「手を抜いている」という叱責を受け続ける日々。
その積み重ねで私は“闇堕ち”し、営業中にシェフと口論したり、営業外では無視する事態に発展しました。
上記のような経験をした私からすると、非行少年と呼ばれる彼・彼女らに強く共感を覚えます。
そして苦手分野においては誰しもが境界知能になり得ると言うことを発信していきたいです。
これからの人生においては
・自身の得意領域に注力する
・上手くいっていない人に手を差し伸べる
ことを心掛けていきたいと思います。
まとめ:良い人間関係を築く上で大切なのは“相手の背景を洞察すること”
今回はシリーズ累計170万部越えのベストセラー「ケーキの切れない非行少年たち」をご紹介しました。
世渡りが上手くできずに苦しむ非行少年から学べることは多いです。
特に“相手の背景を洞察すること”は良い人間関係を築く上で大切な考え方だと感じました。
例えば相手が「集合時間になっても現れない」というケースを想定します。
遅刻理由として考えられるのは「寝坊」等の過失、そして「交通機関の遅延」や「家族の緊急時」等の不可抗力の発生が考えられます。
「寝坊」であれば怒りを感じる人もいるかと思いますが、「交通機関の遅延」や「家族の緊急時」に対しても同じような感情を持つでしょうか。
後者の際は心配の感情が勝つ人が多数ではないかと思います。
同じ出来事に対しても捉え方一つで印象は大きく変化するものです。
常に相手を思いやる心を持ち、人間関係で余計なストレスを溜めない人生にしましょう!

\思いやりを手に入れよう/

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